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August 20, 2005

いまなお牛くう人々、、狂牛病と変異型クロイツフェルトヤコブ病

牛肉の大好きな僕が、牛肉好きのパラダイスであるインドに渡ったのがおよそ10年前、、、ここインドでは牛は聖なる神の化身であり、ヒンドゥー教徒は基本的に牛肉を食わない。牛肉を好んで食べるのは主に異教徒や旅人のみ、、、つまり需要と供給のバランスから、この地でもっとも需要の少ない牛肉はもっとも安い肉となっていたのだった。
安価に牛ステーキ食べ放題!!そんな極楽な夢を見ていた僕を襲ったのが、”イギリスにおける変異型クロイツフェルトヤコブ病”発生のニュース。
職業柄、プリオン病の恐ろしさは解剖実習のときに叩き込まれていたし、教科書レベルの知識でもその得体のしれない不治の感染症はホラー映画さながらインパクトがあった。不活化が困難で、当時はホルマリン漬けの標本からさえも感染が否定出来ない病原体、、、。プリオン病は牛に起こる狂牛病、羊に起こるスクレイピー、人間でおこるヤコブ病、、、が代表的。いずれも脳みそにスポンジのように鬆が入って狂ってしまうというインパクトの強いもの。イギリスで牛肉入りハンバーガーを食べた若者がこの病を発症したというのが事の発端だった、、。それまでのヤコブ病と言えば、食人族がヤコブ病の人間を食らって感染するか、ヤコブ病で亡くなった人から角膜や脳の硬膜移植を受けた人が感染するパターン以外は老人に多く原因不明とされていたのだが、種を越えて牛の狂牛病が人間に感染するなどということは一般には想定されていなかったのだった。それが、この事件を期に、もしかして、、牛から人へ、、、。という危惧が一部専門家に芽生えたのだった。

僕も、生命科学をかじった一人、、世の中に絶対ないことなどありえないことは十分承知。その日以来10年に渡って牛肉をできるだけ避ける決心をしたのだった。
以降、今日までの十年間、、日本でもやっと狂牛病という病名が一般にも認知されつつあるが、狂牛病と人間のヤコブ病の関連について理解している人はまだ少ないようだ。恐ろしい事につい先日まで、どこぞのお偉いさんが笑顔で”牛肉は安全です、牛肉をたべましょう”なんて笑顔で牛肉を食べて国民にアピールするなんて茶番がまかり通っていたのだ。それを目の当たりにした僕はそのおめでたさに思わず笑ってしまったものだった。もちろん正しく処理された牛肉自体は安全なんだろうが、脳や脊髄に含まれた異常プリオンが解体に際して牛肉に付着する可能性を絶対に否定することなど出来ないはずだ、、なんと無責任なと呆れたものであった。人命に直結する輸血製剤のウイルス感染のスクリーニング検査でさえ100%安全を担保することが出来ずに輸血由来のウイルス感染が一定の確立で起こり続けているというのに、牛のプリオン検査の感度や特異度がいか程のものとしても100%安全ということはあり得ない話だ。

インドで牛肉をあきらめてから、専門家が地道に危険を叫び続け、絶対に牛から人へは”感染しない”という従来の常識が、数年かけて”おそらく人へは感染しない”へと変わり、かの牛肉を食べようキャンペーンの時期にはすでに”どうやら人にも感染するようだ”に変わり、現在に至っては”牛から人へ感染する”と常識が180度転換してきたのを眺め続けることとなった。なにをいまさら、、といった感がある。
つい半年ぐらい前までは、狂牛病の牛を相当量食べ続けて、異常プリオンをかなり体内に取り込まない限りヤコブ病は発症しないという根拠のない話もあったが、2005年についに日本人にも変異型ヤコブ病患者の発生が認定されるにいたり、この症例がわずか一ヶ月の英国滞在しかないにもかかわらず発症にいたったことから、ますます狂牛病の脅威が予断を許さないものとなり、その結果、輸血を介したヤコブ病感染を危惧し国内における海外渡航歴のある献血希望者への献血制限がなされるまでに至っているのが現状なのである。
ここまできて、手放しでどんどん牛肉を食いましょうという政治家はさすがに居ないのだろうが、このような事情もしらずに牛肉三昧を送っていたり、牛肉輸入の問題をのほほんと眺めていたりする人も多いのだと思う。異常プリオンの感染経路は牛肉のみならず、ゼラチンその他種々の形で世に存在するため、牛肉を絶ったところであまり感染予防の意義はないのかもしれないし、その発症頻度自体わずかであり、大型魚に含まれる水銀問題の方がよっぽど深刻かもしれない。食べる食べないは各個人の勝手自由に決まっているのだけれども、世の人々にはこのような状況を周知のうえで輸入賛成反対、食う食わないを考えるのが気持ちいいと思う(えー知らなかったよーというのは後味がわるいだろう)。牛肉大好きの僕としては、食べたいのは山々だが、検査体制や解体手順が未整備な現状では自身も家族もいまのところは出来るだけ控えておこうというスタンスを取らざるを得ないところだ。一刻もはやく、心配せずに牛肉ライフを堪能出来るよう関係各所には望みたいところである。
リンク: 牛海綿状脳症(BSE,狂牛病)と(新)変異型クロイツフェルト-ヤコブ病について・・・横浜市衛生研究所.

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Comments

初めまして。表題が目について、お邪魔します。ぼくも焼肉大好きなんですが、もうずっと時々ほんの少し食する程度です。素人ですが、BSEだからだけでなく獣肉食は最少に・・が我が家の決まりです。お互い健康問題には配慮して生き抜きたいと思います。失礼しました。後ほどTBさせて頂きます。

Posted by: 5151 | August 20, 2005 at 10:12 AM

TBありがとうございます、子供をもってはじめて感じる食の安全を含めた環境に対する不安、、なかば諦めにも近い状況ですが、出来る事からできる範囲でやっていきたいですね。

Posted by: RYU | August 21, 2005 at 10:17 PM

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