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July 11, 2009

新幹線車内のご婦人方から学ぶ事

 東京駅から神戸へ向けて滑り出した新幹線の車中、、、後部座席のご婦人二人は、なかなか博識のようで延々と続く医療関係者に対する苦言が否応なしに聞こえてくる。湿疹が出来て皮膚に行ったら塗り薬だけで良いというのに、無理矢理内服薬を処方されたとか、胃薬をもらうのを中断していたら医師から吐血したらどうするんだと恫喝されたとか、、、血を吐いたって医師に迷惑をかける訳じゃないのに、、なんて、実際吐血したら皆に大迷惑をかけるに決まってるのに。 医師会が自民党に多大な献金をしているから、お医者様に有利な政策ばかりが優先されて、医者は金儲けのだけしか考えず必要も無い薬を無理矢理出し続けるもんだから、ゴミ捨て場には余った薬が山積みで、ほんとに医療者ってろくな人がいないし、みな態度が悪いんだと、、。
 ご婦人方、、あなた達のおっしゃる事は逐一正しいと思う。実際、僕もそう思うさ、、でも、なんだろう、めっちゃ悲しくなったのも事実。往復12時間かけてほぼとんぼ返りの学会へ行き、その車中でさえ仕事は山積みで、四六時中患者の事が気になって、眠れぬ夜を過ごしたり、胃袋に穴があいたり、血圧の薬や睡眠薬や痛み止めなどを山盛りに噛み砕きながら日々、医療業務に心血を注いでいる医師や看護師を僕は大勢知っている。 お金を儲けたくて仕事をしている人なんて、少なくとも僕の近くにはほとんどいない。皆、自分達がやらなきゃ誰がやるんだ、、というぎりぎりの状況でやっている訳で。 もっとも、収入的に潤っているクリニックは確かにあるが、多くの中堅施設は度重なる医療費抑制政策と医療の高度先進化にともなうコスト増で青色吐息だ。
 皆、医療の継続性、もっと単純に言えば倒産を避けて、ぎりぎりの採算を確保するために、涙ぐましいコスト低減の取り組みに追い込まれているのだ。
患者さん達に不利益が及ばぬよう、いままではなんとか各個の病院が赤字を飲み込む事で耐えて来た訳だが、もう限界、、国が国民と病院に強いている医療のコスト削減の意味するところを、博識なはずのご婦人方は果たして理解されているのだろうか? 確かに、無駄も多かったのは否めない、、骨折で入院したのに、せっかくだから胃の検査もしてもらおうかな、、とか、ばあちゃんの分まで湿布を多めにもらっておこうとか、、来月沖縄に家族旅行なんで、それが終わるまでじいちゃんの退院はのばしておいてほしいとか、のどが痛くて熱がでているのに抗生剤もくれないんですか?とか、、言いたい放題やりたい放題の方々も多かった。それら国民の無駄遣いを、緊縮することは確かに重要である。
 しかし、現行の制度では複数の病気を抱える人が入院した場合はどれか一つの病気しか治療出来ず、たとえば人工透析を受けていた人が別な病気で入院すると透析が受けられなくなる(正しくは透析費用が医療費として認められなくなる)とか、保険できちんと使えるはずの有効な薬剤も、コスト割れのために使えず、救える命が医療費抑制の名目に削られていくという現実を多くの人は知らない。これら、行き過ぎた医療費節減の大きな弊害は、一次的な制度変更過程のひずみであって、将来的には順次なんらかの対策が取られていくのであろうが、それまでの間、医療者は国民の生命と国策との狭間で血を流し続ける日々が延々とつづくのである。
 医療、教育、司法、警察、政治、、、これらの多くは日常的に誹謗中傷の標的となり得るし、僕自身多くの文句や苦言を言って来た。その多くが的を得た指摘でもあり、また的外れな指摘でもあろう、、。この車中で学んだ事は、ほんの軽い世間話の題材でも、問題となる表面的な事象の陰には多くの真摯な人々の営みが正しく評価される事無く埋もれているということ。 僕も、またちょっと大人になったかな、、今後おしゃべりする時は自分も気をつけようと思う。、、、あ、、、、仕事すすまぬうちに新神戸に着いちゃった。

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