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June 14, 2011

カラフル Colorful〜原恵一氏クレヨンしんちゃんからの到達点

昨年9月のブログで、触れていた原恵一監督の最新作 カラフル をようやく娘と鑑賞。
自殺した少年が、同じく自殺して命を落とした中学生のマコトの体を借りて、人生の再チャレンジの試練を課せられるというストーリー。 確かにテーマ自体は重いのだろうが当初予想していたような沈痛な作品ではなく、さらっとからっと、”生きる”ことの意味を提示してくれる作品。
自分が何故、産まれたのか?何のために生きているのか? 空虚な日々のどこに生きる価値があるのか? 根源的な問いに対する答えを、哲学的な理屈に頼る事無く、各登場人物の感情の機微を通じて描いている。

逆説的に言えば、人は何故自殺するのか?その大きな理由の一つは、自分の存在意義を見出せないことに他ならない。 人は誰かに必要とされている限り、生きる希望を見出す事が出来るのだ。 それは、まだ幼い我が子だったり、介護の必要な老身だったり、プランターに花をつけたワイルドストロベリーだったり、仕事上の顧客だったり、描きかけの絵だったりするのかも知れない。人と人とのつながりが、もしくは人と生命のつながりが、僕らが生きて行く上でかけがえの無いものであることは間違いないのだろう。

佐野さん役の宮﨑あおいの演技がかなり秀逸、、、。本作 カラフルは2011年6月フランスで行われたアヌシー映画祭にて特別賞を受賞とのこと、、。

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以下は2010年9月の記事の再掲:
かねてから評価の高い”クレヨンしんちゃん劇場版第十作 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦”を観たのが先日の事。我が10歳の娘がしきりに観たがっていた、”カラフル”という劇場版アニメーション作品の監督がなんと、そのクレヨンしんちゃん劇場版を監督した原恵一氏、、その人であるらしい。 レンタルしていたスタートレック最新作を返しにいった書店にて、たまたま立ち読みした雑誌に、原恵一監督へのインタビュー記事が載っていた。うーん、なんてタイムリー。 記事によると、広告代理店を経てシンエイ動画に入社した原恵一監督はドラえもんなどの制作に関わり、クレヨンしんちゃんの劇場版を定期的に担当する事になったらしい。多くのクレヨンしんちゃん劇場版を演出担当するなか、ついに第9作の”クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲”で脚本に行き詰まり、その時に自分の作家性に素直になろうと決意したのだそうだ。 由緒正しいシンエイ動画の中にあって、子供向けに楽しく、明るくという暗黙のレギュレーションを敢えて打ち破り、解雇覚悟で完成した”クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲”は、やはり同社上層部を交えた試写会場でかなりの酷評を受け、観客である子供やその親からの怒りや失望を覚悟していたものの、公開後は世間一般から評論家まで非常に高い評価を受け、国内の映画賞への入選や雑誌主催の映画ベスト1に輝く事となった。
このことで、自身の作品制作スタンスに確信を持った原恵一監督は満を持して、主要キャストの死亡というショッキングな展開や、緻密な時代考証を重ねた第十作”嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦”を制作。その、高い評価は万人の知るところとなっている。 この2作でクレヨンしんちゃんの枠内での限界を悟り、徐々に関与を薄め、10数年来構想を温めて来た木暮正夫原作の「かっぱびっくり旅」の劇場版作品『河童のクゥと夏休み』を2007年に公開し文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した後、フリーに転身。2010年、”カラフル”の制作に至って居る。このカラフル、、かなりな内容でエンディングにはTHE BLUE HEARTSの ”青空”が流れるらしいから、こりゃ放っとけない。
 職業人としてのキャリアパスを考えるとき、会社員なら課長、部長、社長、、大学研究者なら助手、講師、教授と上を目指すのが一つの道筋。 しかしながら、原恵一監督の場合は、演出家、監督としてより自分の制作に適した環境を求めて、転身を図っている。 一つ所で、最善の極みを尽くしたればこそ、次なるステージが開けて来るのであろう、、これは、おなじ技術系職業人としてはとても感銘を受けるキャリアパスである。 一度しかない人生、、出し惜しみせず全力を尽くしたならば、ぬるま湯から抜け出し新たなステージへ、、と心は騒ぐが、ローンも残ってたりして、やはり腰は重い。

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