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December 17, 2015

初めての肩関節脱臼 辛い固定期間を乗り越えるために外旋位固定装具(ショルダーブレース)の隠された機能を使おう!

人生初めての肩関節脱臼、、無茶痛いですし、かなり落ち込みます。
肩関節の場合は再脱臼率が60%程と高くて、最終的に相当数の方がその後脱臼を繰り返しスポーツや日常生活がままならくなり手術を余儀なくされる場合があることが分かっていれば尚更。大の注射嫌い、医者嫌いの僕にとっては、なんとか手術なしで完治を目指したいところです。
医者嫌いの僕がやむにやまれず、整形外科を受診した結果、そこで、おもむろに医師と看護師二人がかりで装着された装具がこの、ショルダーブレースという肩関節脱臼固定用の外旋位固定装具です。 もう一度言います、肩関節脱臼固定用の外旋位固定装具、ショルダーブレース (笑)。
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整形外科受診までは、体幹に腕を巻きつける形で腕を吊っていたので、正直装着時は腕を外側に回され激痛と肩の外れそうな恐怖で辛かったです。ぴったり装着されてしまえば、とても楽になりました。 でも、自分ではどこをどうやって固定されているのか当初わからず、さらにベルクロのベルトを看護師さんに思いっきり背中側で止められてしまったため、どうにもこうにも自分では外すことが出来ない、ガチな固定になってしまいました。 のちに、胴のベルトをカットして、固定のベルクロを手の届く範囲に調整できることを知り、自分で脱着可能になりました、、そうでないと着替えも、お風呂も無理になってしまいますから。

このショルダーブレースは、脱臼した側の肘を90度に曲げた状態で前腕を体の外側に少し外旋した位置で固定するための装具です。 簡単に言うと”なんでやねん”のツッコミの最終形態のままでの固定になります。 優れた装具なんです。 お値段もご立派、、、財布空になりました。
病院で処方してもらった場合、装具の費用は、のちに領収書と医師の証明書を添えて申請することで70%ほどが返ってきます。Photo

肩の脱臼のいちばんの問題は、その高い再脱臼率にあります。いったん肩を脱臼した人は、何度も脱臼を繰り返してしまうことになり、スポーツはもちろんのこと、日常生活にも支障をきたす場合があるのです。特に若い方の再脱臼率は、80パーセントにも及ぶといわれています。
その原因は、初回の肩関節脱臼の際に損傷した関節唇や靭帯、関節包がちぎれたまま修復されず、上骨を支えることができなくなるためです。

手術以外に肩関節脱臼の再発を防ぐ唯一の方法、それは初めて肩関節を脱臼した際に、脱臼した肩を整復した直後から、脱臼で破壊された関節唇や靭帯をきちんと、圧迫整復固定できる肢位である外旋位で組織の修復に必要な3週間以上の固定を行うことです。この整復後の外旋位固定をきちんと行なうことで、再脱臼率を従来の三角巾などによる内旋位固定に比べて25%から6%へ低減できる事が報告されています。外旋位固定の再脱臼抑制効果は二回目の脱臼後でも再脱臼率50%から25%へ低減する事ができます。 しかし、きちんと初回脱臼時に固定せずに脱臼を繰り返した後では、もはや固定での関節唇、靭帯の修復を期待することは出来ず、最終的には手術をするしかなくなるという現状があるようです。
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というわけで、初めて肩を脱臼した殆どの方が整形外科を受診したその日から、この外旋位固定の装具(ショルダーブレース)を装着したままで、3週間以上肩関節を固定して生活することを余儀なくされる訳です。それは、突然訪れる辛く厳しい日々でもあります。 肩の脱臼も痛くて辛いですが、その後の固定期間も辛い、、この外旋位固定、具体的に何が辛いかというと、、

1、三角巾とバストバンドで固定する従来の内旋位固定と比べて、めっちゃ場所をとる。
  正直、混み合う飲食店のカウンター席には入れませんし、混雑した街中を歩く時は
  絶対にぶつかりますから、誰か友達を前に歩かせて盾にするなどの工夫が必要です。
  体の外側に腕がはみ出た形での固定になるのでとにかく、自分自身が邪魔な存在になります。
2、痛めた肩を外旋位に保たれるので痛い!! 肩関節前方脱臼の場合、肩の前側の関節包や靭帯、 軟骨が損傷しています。 腕を外旋位に回した状態は痛めた場所を引き延ばす形になるので初 めのうちは結構地味に痛みます。
3、両手を使う作業が出来ない!!両手が遠くに離れた状態なので、三角巾固定ならできるはずの両 手を使った作業が出来ない。 キーボード入力、電話をしながらメモを取るなど、ペットボトルの蓋を開ける、包みを開けるなど本当に不便です。
4、寒い、、、。これは外旋位固定に限りませんが、インナー(下着類)はなんとか着るとしても、上着やジャケットは羽織る形になります。三角巾固定だと、腕自体をすっぽり上着の中に収めてしまうことが出来ますが、外旋位固定ではフルオープンにせざるを得ないため、冬はお腹が寒いです。
5、固定している側の手が浮腫む。これは、動かさないことでびっくりするほどパンパンにむくんでしまいます。 リハビリ用の柔らかいシリコンボールなどを、常ににぎにぎすることで予防改善しました。
6、外旋位保持用の胸のクッションパッドが胃に食い込んで辛い。
実は、一番きつかったのはこれかもしれません。腕を保持するために三角形の発泡スチロール製のクッションパッドがあるのですが、これがちょうどみぞおちに食い込んできます。 腹腔内圧、胸腔内圧が上がるために胃痛、吐き気、胸焼けが起こりました。 ただでさえ、痛み止めで胃が弱っているため、本当きつかったです。主治医に吐き気止めや胃薬をもらってしのぎました。また、肩ベルトの調整や腕の角度を調整してパッドが食い込まないように位置調整することが重要です。

7、眠れない、、寝ると痛い! 
三角巾と、バストバンドで固定している時に比べて、肩関節、上腕骨骨頭の固定は緩くなるため、寝る時に肩がズレて激痛!ということが結構あります。そのため、就眠時や結構動かなければならない時には、上腕骨の骨頭がズレて痛むのを防ぐためにサポーターを併用していました。
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また、眠る時はあらぬ方向に腕や肩がズレて再脱臼や癒合しかけた関節組織の損傷を起こすため、基本的に装具をつけたまま眠ることに成るわけですが、腕を90度に固定したまま寝るのは正直辛いわけでして、、ところがのちに、このショルダーブレースの隠された優れた機能(説明書ちゃんと読むと出てるのですが、普通読まないでしょ)を発見し、少しだけ眠るのが楽になったのでした。これについては後述します。

<肩関節外旋位固定装具 ショルダーサポート初回装着時に必ず以下をチェック!!>
必ず、どなたかと二人以上で作業してください。
ショルダーブレースはこのような構造になっています。
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1、胴周りの固定ベルトの長さ調整(カット)を必ずしましょう。この装具の胴ベルトはかなり長めに作られています。そのため、小柄な方や女性の多くは胴ベルトの面ファスナーが背中側いっぱいの所で固定されてしまい、自分では外せないという笑えない状態になります(笑)。当初、僕も病院で慌ただしく装着された際には、そのままの長さのベルトで固定されたため、帰宅後苦労しました。
実はこの装具は幅広い体格の方に適合させるため、胴ベルトを装着前に適切な長さにハサミでカットして使うようになっています。
この胴ベルトの端についている面ファスナー、、実はこれ、ベリベリとベルト自体からも外れるように作られているのです。
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説明書だと少しわかりづらいのですが、一度装具をつけて仮合わせしてみます。
胴ベルトを締めると、バックルを通して折り返した後でも相当の長さが残っているはずです、このバックルを通して折り返したところから後のベルトの余りが大体5cmぐらいになるように、ベルトをハサミでカットします(切りすぎ注意!!) 
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そして、カットしたベルトの端に、固定用のベルクロを再度くっつけます。 これで、ベルトが短くなり、ベルクロの固定部が背中ではなく脱臼してない方の手が届く脇腹あたりに来るようになり、自分での装具の着脱が可能になるのです。 親切かつ、この装具に慣れている病院のスタッフならここまで調整してくれるかもしれませんけどね。 そうでないと自分でしないとです。
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2、肩ベルトの背中側の面ファスナーも調整しましょう。 胴ベルトの長さが決まって装着した時に、肩ベルトの背中側の胴ベルトにつながっている位置はどのあたりになっていますか? この部分も面ファスナーで留まっているので、適正な位置につけ直しましょう。適正な位置とは、ちょうど背中の中心(背骨)の位置あたりになります。

3、脱臼した肩を外旋位固定したまま寝るための、ありがたい機能を使いましょう。
夜寝ている時は無意識に傷めた肩関節をねじってしまうため、基本的には医師からお風呂以外外さないようにと指導される事になります、実際再脱臼も寝て寝返りをうった時に起きたりします。
とはいえ、痛む肩を抱えながら、さらにこの厳しい外旋位固定のまま眠りにつくのは容易なことではありません。 説明書をちゃんと読んでなかった僕は、眠れぬ夜が続くある日、このショルダーブレースに謎のジッパーを発見しました。 これです。 
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このジッパーを開けてみると、あれあれこれはびっくり!! なんと、90度屈曲に固定されている上腕、肘の関節が少しですが、伸ばすことができるありがたい機構が発動します。さらに、ジッパーを開いた内部からは、肘関節が過伸展しないように抑制するベルトも出てきます。 医師の許可が必要ですが、この機構を使って、夜間の寝苦しさを少しでも解消しましょう。 アルケアさんありがとう!! 
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というわけで、初めての肩関節脱臼、初めての肩関節固定装具、ショルダーブレースERと辛い固定期間をなんとか乗り切りましょう。

#肩関節脱臼
#外旋位固定
#装具固定
#ショルダーブレース

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Comments

ブログ主様のお名前をなんと呼んで良いか判らない失礼をお許し下さい。 私は肩脱臼から6ヶ月経過しています。 当初ネットで調べるとそちら様が採用された/医者が 方法が再脱臼を防ぐ良い方法と出ていましたので、担当医にネット情報のプリントを持参して、外旋位固定方を採ってくれるようにお願いしたのですが、若い担当医は年配の主任と相談し内では内旋位固定を採るとの事で受け入れて貰えませんでした。 私自身は正復後は嘘のように/実は2週間痛かったですが、それでも痛みは治まって自分で外旋位にしてみても痛さは感じません出たが、一番の問題は眠るときに寝返りどころか動くことが極端に制約されると思いましたが実際そのようですね。 しかし考えてみたら私の場合も三角巾とチェストバンドを外すまでは上向きの姿勢でしか眠れませんでした。 
 実は昨年3月で取り敢えずリタイアになって時間は十分ありますので、朝のテレビ体操に始まって棒体操を痛くても続けたらかなり良くなりました。 ただ私の場合年齢と三角筋部分の神経が断裂してしまって神経麻痺を起こしていますので治りが悪いのだと思います。 そちら様は若そうですからきっと3ヶ月で良くなることと思います。 ここの説明は他の方に非常に役立つと思うのですが、何故か検索エンジンに引っかかりませんでした。 長文のコメントで失礼します。

Posted by: Cmat | January 01, 2016 at 11:29 PM

先日脱臼してしまいました・・・素晴らしい装具ですね!どちらの整形外科でしょうか?何軒も電話をかけたのですが、どこも取り扱ってなかったです・・・(涙)

>>
コメントありがとうございました。
脱臼、大変でしたね。 装具自体は、病院毎に扱っている製品や固定の方法が異なるようです。 外旋位固定は東北大学の整形外科が世界に発信している方法のようなので、東北地方だと扱っている病院が多いかもしれません。 装具自体は、当記事のリンクからネットでも購入出来ますので、主治医とご相談なさってもいいかも知れません。お大事にしてくださいね。

Posted by: As | January 13, 2016 at 07:47 PM

コメントありがとうございます。
私も、現在3週間の固定を終えて、リハビリに励んでおります。
びっくりするぐらい、関節が硬くなってしまい、可動域を広げるのに一苦労です、、とても真剣に指導してくれる理学療法士さんにサポートいただきながら、日に日に回復していますが、想像以上にリハビリは辛いですね。 一人でやるとしたら心が折れそうです、、できれば整形外科のリハビリを利用するのがオススメです。 本記事が肩関節脱臼後の方に少しでも役立ってくれたら嬉しいです。

Posted by: ryu | January 16, 2016 at 01:35 AM

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