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September 2004

September 30, 2004

上高地に現れた一人の男、、果たして、、

kamikouch1.jpg
握力と感覚を失った右腕をなんとかしなきゃと思いつつ、高原を駆けおり一路、市街地に向う。
壊れた頚椎と肩関節持ち、ということで、戦闘的なフォームはかなり致命的、、にもかかわらずだましだましその日暮しをしているここ数年ではあるが、さすがに厳しい今日この頃の過酷なライディング(笑)。
街中で見つけた柔整師に、取りあえずのサポートを施してもらう。これなら結構楽、、、。再び動けるようになったころ雨はやっと上がっていた。さて、さて、予想外のタイムロスを喰ってしまった、、、すでに17時、、、。ここから一体どうしようか?ともかく、深く考えずに走り出すこととする、、、どうせ、目的地も目標もないのだから。途中、気に入った温泉などに立ち寄りながらひたすら走り続ける、、、気がつけば上高地の文字、、、登山好きの大学の先輩から、上高地の魅力について非常に濃い話を聞いたことを思い出した、、、その先輩は、多忙な仕事を縫って、終業後ひたすら高速を飛ばして夜明けに上高地へ向かい、朝いちで山にのぼってその日の内に戻ってくるということをくり返していたそうだ。
上高地か、、、どんなところなんだろう?ワサビが生えてて、小川がさらさらしているのだろうか?、、、勝手な想像を膨らましつつ、上高地めがけて山を駆け上っていくことにした。途中、白骨温泉への分帰路があったが、入浴剤混入問題のせいもあって、かつて憧れでもあった白骨温泉へは足が向かなかった、、、ひたすら深い谷を見つめながら険しい山を上っていく。上高地についたのは夜も20時をとっくに回ったころ、、、、知床同様、先は一般車両の交通規制が通年布かれているため、ふもとでバスかタクシーに乗換えなければならない。とっぷり日も暮れた現在、すでにアクセスの手段は断たれており、やむなく麓の宿で一泊するしかなかった。ゲート前でどうしようかと考えている僕に、声をかける一人の男性が現れた、、、。

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September 29, 2004

振り向けば白馬、、、

長野自動車道をどこで降りたのか、いまひとつ解らないのだが、気がつけばのどかな高原を僕と隼はひた走っていた。とっくに非日常的な速度域には別れを告げ、のんびりと風景を楽しむ、、、小さな街に差し掛かると、みな登山用のバックパックを抱えて楽し気に駅から方々へ散っていく人々の姿、、、、なんだか、自分だけ異質な存在のようだ。僕の装備は温泉タオル一本という貧弱なものだ、、、。街のあちこちに”白馬”と書いてある、、、なるほど、もうそんなところに来てしまったのか、、、どのみち僕には似合わない場所には違いない。

昨晩、福島の自宅を出て数時間、、、木曜日の朝を白馬で迎えるとは正直、予想もしていなかったわけで、、、、。ただ、長時間に渡る風圧とライディングポジションとの戦いのせいでもともと壊れている僕の首と右肩は限界に達していた。右腕はしびれと痛みでほとんど用をなさない状態、、、左手の繊細なクラッチワークは全く影響はないのだけれど、右手は高速道路のスロットル半開固定!!という大雑把な設定ならまだしも、、、一般道では減速も停止もしなきゃいけない。すなわち、このままじゃFI特有のドン付きをくらって転ける可能性が高いわけで、、、、比較的まだ実用に耐える右手の平を使って、騙し騙し高原を駆けおりる木曜の朝であった、、、、。

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September 28, 2004

米山サービスエリアの寒い夜、始業まであと36時間!

北陸自動車道に入り、一挙にペースがあがる、、、雨は相変わらず激しくシールドを叩き続けていた。HIDのサーチライトに照らされた黄ばんだセンターラインがほぼ直線に見える程の早さで走っていく。街灯もまばらな深夜のクルージングはこの速度域になってくると、次第に時間も空間も麻痺しはじめ、いったい自分がどの方向に進んでいるのか?速度はどれくらいなのか?バンクしているのか?漆黒の闇のなかにただぼんやりと浮かんでいる状態になってしまう、、それでいて、速度計と回転計のみがちょっと理解しがたい数値で静かに固定している状況だ。
、、、、こりゃそろそろ潮時だ。
これ以上はほんとに”あちら側”にいってしまうことだろう、、僕は、心身の限界を感じ、米山SA に滑り込んだ。
二輪車専用ブースに隼をとめ、ヘルメットを脱ぐ。静止している大気を吸うのは昨日以来初めてのことだ。カウルを伝って動力系に達した無数の水滴がもうもうと蒸気となって立ち込める。走っている時はあんなに冷たかったのに、、もうサウナ状態だ。
ひっそり静まり返ったサービスエリア内には、食堂と自販機コーナーが設置されているが、食堂ははるか昔に営業終了。からっぽのテーブルが僕を迎えてくれた。明け方5時過ぎ、、、冷えきった体をあたためるべく、ぬれたジャケットと靴下を脱ぐ。靴下は隼のラジエータで乾かしてしまおう。お茶を飲んで、眠気に誘われる、、、太陽が登まで、食堂のテーブルに大の字になり仮眠を決め込むこととしよう。

、、、堅く、冷たい食堂のテーブルの寝心地に幾度となく目を醒まし、上がらない雨を恨みながら朝を迎えた。気付けば、もう食堂のおばちゃんが仕込みを始めている、、、、朝7時過ぎの営業開始を待って、自慢らしいカツ丼で朝食を済ます。雨脚はいくぶん和らいできたようだ、、なにより、太陽の温もりが有り難い。
さて、どうするか?ここからいったいどこへ向かおう、、、イナ妻からもらった地図は、信州の観光地図だ、、、それ以外に地図はない、、しゃあない、、ここまできたのならいっそ黒部でも目指してみるか?ともかく、北陸自動車道に糸魚川で別れを告げ、長野自動車道をひたすら南下し始めた、、、、仕事開始まであと36時間。

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September 26, 2004

爆走の果てに自販機で楽しむハンバーガー、、20年前から進歩認めず!

ガスを入れたら、人間も補給の時間だ、、、、すでにレストランも閉った閑散とした店内では、まばゆいばかりの自販機の群れがひときわ強い存在感を放っている。自販機にはたこ焼き、ハンバーガーといった食品もあって、九州まで高速で帰省するのが常だった幼少のころを思い出し、自販機のハンバーガーを選択。コインを入れると、自販機がうんうんとうなり、冷凍されたハンバーガーを加熱し始める、、、。やがて、品のないブザーとともにガタン!とこれまたびっくりするような音とともにハンバーガーが取り出し口に落ちてくるのだ。
箱をあけると、水分のずいぶんと抜けきったからからのハンバーガーが二つ、、、ちょうどレンジにかけすぎたあんまんのような出で立ちだ、、、この姿は、僕が子供のころ食べたときと一つも変わっていない。技術革新もなんのその、このかなりアバウトな解凍技術は時空をこえ今なお現役であることに、ある種の感激をも感じてしまうのだった。そんな、こんなで身も心もリフレッシュした僕は、真っ暗な空を見上げてみる、、、、大粒の雨がやむ気配はない、、高速案内の天気表示も雨傘だらけだ、、、、、さて、これからどうしよう。東北道から磐越道を経て、、、とにもかくにも前進あるのみ、夜明けまであと数時間、、サービスエリアを飛び出した僕と隼の旅はついに北陸自動車道へと舞台を変えていた。

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September 21, 2004

これぞ究極のライディングジャケット!雨にもマケズ、風にもマケズ、、でも空腹には負けたね

雨の降りしきる中、わずか二日の休日をエンジョイせんと、隼に温泉タオルを忍ばせて走り出したのが水曜日の夜、、、、。福島西インターから低μの東北自動車道を南下する。日頃ダルマストーブのごとく、僕の内ももをローストする程熱く煮えたぎるパワーユニットも冷たい雨の中、この速度域ではなんとも心もとなくほのかに暖かいのみ。行こうか、行くまいか悩んだあげく、雨まで降り出し、、それでもちょっと走ってこようぐらいの勢いで出たものの、走り出してしまえば糸の切れた凧と化すのが僕の常。
雨中の夜間移動は体温を奪われたら最期、、、、まずそのためには、体を濡らさない事が前提になる。必要以上に傾斜したシールドに逃げ場はあまり無く、テストレーサーよろしくタンクにべったりの姿勢が続く、、、超高速域を視野においたセッテイングを施された足回りは、アスファルトの継ぎ目のギャップを丁寧にも拾い上げ、僕の体を真下から突き上げる。わずかなりとも、シールドから体が露出すれば、恐ろしい程の風圧でラリアットでも食らったように吹き飛ばされる身体各部。昔、よくやったアーケードゲームのようにかなりの相対速度で迫りくる車両をキャンセルしながら、ひたすらスロットルをキープする、、。このまま南下して東京へ向かったところでたかが知れている、、、郡山のジャンクションを猪苗代方面に折れたのは結構昔の話だ、、、、気がつけば新潟に入っていた。
10年以上つきあった皮のライダースジャケットの後継として、大枚をはたいて買ったGoldwinの限定ジャケットは、貧弱なインナーをモノともせず、風雨を寄せ付けない奇跡的な作り、、Euroスーパーサイクロンジャケットというネーミングもなんとなく*面ライダー風であるが、その中に隠されたハイテク機構もこれまた凄く、エアダクトからジャケット内部に侵入した雨粒はみな、内側のレイヤーにそって袖口と裾口に誘導されそこから僕の体を濡らす事無く排出される、、、。やっぱ、価格なりの仕事はしてくれるものだ、、、と関心しつつも、そろそろ体力的に限界の様子。新潟をすぎて最初の休憩をすべくサービスエリアへと滑り込んだ。hayabusa2.jpg

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September 20, 2004

散歩のつもりが、500Kmって、、馬鹿じゃん。

 それはいつもながらの些細なきっかけだった。仕事を終えた20時、、、明日と明後日の2日間、わずかながらの夏休み。
今晩このまま寝てしまえば、3人のちびっ子とともに自堕落モードに突入し、輝かしい夏休みは”畳にKiss ”で終わるだろう、、。
 僕も、そろそろ大人だし、せっかくの連休、、ぞくぞくしてみたい。夜のニュースが終わるころ、韓国ドラマに捕われてまなこを充血させたイナ妻に旅立ちを告げていた。
”え、、隼で行くの?、何処へ?””わかんないけど、今から出れば夜通し走ってあさになったら何処までいけるかな、、、?””わさびが植わってて、小川がさらさら流れてるのって何処だっヶ?””、、、さあ?地図ならあるけど持ってく?””おお、サンキュ、、まあ、ともかく南に向かってみるか、寒いのやだし、、どこまで届くかお楽しみに、、じゃね!””じゃね、、、”
 思い立ったら吉日で、僕の旅はいつだって唐突だ、温泉用のタオルをシート下にしまい込んで21時、、大粒の雨がアスファルトを叩く中、隼に火を入れた僕はイナ妻と3人のちびっ子に手を振って走り出した。
 わずか59時間後には仕事場に戻らなければならない訳で、、、でも、この旅一体どういう展開を見せるのか誰にも分からないだけにむちゃ興奮してくる。22時、福島西インターのゲートを潜る、、、チケットが雨で濡れないように丁寧にしまい込んだ。水滴にけむるシールド越しに輝く緑の案内板、、、東京、、、盛岡、、、この天気じゃ気温の低下も相当だろう、、やっぱ南だな、南、、、東北自動車道を南に向けて、僕と隼は漆黒の闇を切り裂いて走り出した、、。νの低い路面を蹴りながら、時速300km/hrを現実とする空力特性のために犠牲になった低いシールドに身を伏せる。GPXならともかく、今回は隼だもの、、、ひょっとするとひょっとするぞ、、、。もう少しで日付けが変わる、、さて、僕は明日の朝日をいったい何処で見ることになるのだろう、、。kami1.jpg

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