キャシャーン2回目
宇多田ヒカル女史のご主人が監督された、”キャシャーン” キャシャーン。
今回はレンタルDVDで二回目の鑑賞、、、、。
公開当時は、映像作家としての緻密な映像美と、長過ぎる尺が話題になり、その懐古的ヒーロー物らしからぬメッセージ色の強い難解なストーリーが災いして評論家筋や一般観客などからもかなりのバッシングを浴びせられる次第となった本作。
今回、見るのも二回目ということもあり、より子細に渡って一見難解かと思えるストーリーを改めて観てみた。
映像の奇麗さ、楽曲とのマッチング、破壊の限りをつくすカタルシス、、いずれも初回の印象通りの素晴らしさ、、だが、今回気づいたのは一部で酷評されたメッセージ性の強さこそが、本作のほんとに素晴らしい点だということ。
いま、”優しい時間”なる”北の国から”の遺伝子を引き継ぐ番組が某局で放映中であるが、親子の葛藤を描いたこの“優しい時間”などは、シリーズ途中であろうが、すべてこの”キャシャーン”の中に内包されてしまっているといっても過言ではない。
主人公と父親役の寺尾聡の親子の永遠の葛藤というテーマを描きつつ、生きとし生けるものすべてが抱える矛盾を、白日の下にさらして問題提起をする。これがキャシャーンの本質のように見える。
誰しもが気付きつつ黙殺している本質的な問題を、恥ずかしがらずにここまで素直に世に問うた作家が日本にいる、、というのが素晴らしいと思った。最も、それらの問題をあまりにも強引に一般化しすぎるきらいはあるが、映画という制限のなかではいたしかたないだろうね。少なくとも僕にはこんなん造れないし、、、、。まさに新造人間、、、(笑)。
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