みえない雲 をみて思う事@原発立県
ドイツの静かな街が舞台、、、ある日近隣の原発が事故を起こし街に警報が流れるが、、、。
例によって原作は読んでいない。映画では主人公とそのボーイフレンドの絆があらたに織り込まれているようだが、本筋としても全く正当派の作品。被曝後の骨髄抑制の描写は淡々としていながら考証も過不足無く、血小板減少による皮膚の紫斑や、貧血による顔面蒼白、被曝による脱毛など真面目に描かれている。被爆者の抱える痛みが、単に放射線障害によるもののみならず、社会的な孤立や誤解、将来に渡って消える事の無い二次発癌の恐怖など非常に多面的なものであることが訴えられている。
個人的には、幼少の子供を抱える父親として、主人公の弟が避難の途中に自転車で坂道を下りあっけなく車にはねられて即死する場面が衝撃的であった。日常が非日常に移行するその瞬間をまざまざと見せつけられる。 国内のどんな交通安全ビデオよりも、教育的価値があると思う。
原発立県である我が県の住民はすべからく本作を鑑賞し、日々新聞の小さな記事に垂れ流されている原発の排液漏れをもっと注視すべきだと思う。 もっとも、電力の恩恵を受け続ける身として僕自身、原発反対という単純な立場にはなく、英知をつくし将来を見据えて第三の道を模索することこそが必要とされよう。
http://www.hico.jp/sakuhinn/7ma/mienai.htm
http://www.cqn.co.jp/mienaikumo/nuclear/index.html
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