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April 08, 2009

なにか変だよDPC、重症者、複数の病気を持つ患者はどうすれば?

本邦の医療機関がDPCの波に飲み込まれる運びとなった昨今。 DPCというのはDPC(Diagnosis Procedure Combination)による包括的診療報酬制度のこと。なんのこっちゃら?という一般市民ピープルは多いのだろうけれども、これが国民にとっては非常に大変な医療の仕組みの変革をもたらしているのだ。 僕もあまり詳しくはないのだけれども、ぶっちゃけ強引にまとめると以下の通り。

これまで:出来高制
病気になって入院したとき、必要な検査や治療に応じて、必要な分の医療費がそれぞれの治療や検査毎に健康保険で認められる。複数の病気にかかっていてもそれぞれの治療が保険の対象になるので十分な医療が受けられる。 反面、過剰診療や過剰検査が起こる可能性があり、国民が使う医療費の増大につながるからだめ!という意見も。

これから:包括的診療報酬制(DPC)
病気で入院したら、健康保険で認められる医療費は抱えている病気の名前で一定額に決められてしまう。基本的に、症状や重症度、必要な検査や治療の数に関わらず一定額なので、同じ病気で入院したら、重症だろうが、軽症だろうが、複数の病気を持っていてそれぞれの治療が必要であろうがなかろうが、使って良い医療費は変わらない。 だから病院は、保険で認められる最小限の医療費の中でなんとか必要最小限の治療をしなければならない。薬を使うなら出来るだけ安い薬、、特許の切れたあとの合法的コピー商品であるいわゆるジェネリック。検査も出来るだけしないで済ますしかない。医療費は患者の容態に関わらず最小限しか保険で認めないので、、いや、正しくは、重症で入院が長引くと逆に医療費が減らされるという、とほほな調整まで決められていたりもするので医療費が削減できるのが素晴らしい。病気を抱える高齢者が増えても、国民の医療費は増やしてはいけないのだ。

実際には、DPCは緻密な分析のもとに効率のよい医療を目指して設計されたシステムであり細かい調整はある程度あるし、特殊な治療はDPCの枠から外れる場合もあるけれど、実際概要はそんなところ。同じ病名なんだから、Aさんも、Bさんも、Cさんも同じ金額しか医療を提供しませんよ、重症でより多くの検査や治療が必要でもそれは過剰診療ですから認めませんよ!あまりだらだら入院していると、医療費は出しませんよ、、病気になったら最小限の検査と治療で一刻もはやく元気になってさっさと退院してくださいね、というお達しのように見える。 医療費を決める病名は基本一つだから、複数の病気を抱えている人はたまらない。もともとの持病の治療が、別な病気で入院した場合には保険で受けられなくなってしまうという理不尽さも、、。 簡潔、明朗会計、セットメニュー、格安医療!!と素晴らしさが謳われるDPC(包括診療報酬制)だけれど、ほんと、これでいいのかなあ、、と、かなり心配な今日この頃。国民の賛同を得て、せっかく多くの予算をついやして動き始めたこの制度、、最初から欠点のないシステムなど存在しないし、限られた医療資源の効率的給付という素晴らしいコンセプトも秘めている。多くの患者さんの痛みを踏み台にしていくのだから、より思いやりに溢れた我が国独自のきめ細やかな医療制度に成長して行ってほしいと願うばかり。関心のある方は、勉強してみては?

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