ノー.マンズ.ランド、、、観てきました。
2002年6月の記録より、、
4月から始まった修行も、ついに最後の時を迎えた。最終の一週間は引越しと残務整理に当てると宣言していたものの、飲み会が相次ぎ敢え無く目論見は失敗。
冷や汗をかきながら、書類の整理をし、郵パックの段ボールに3ヶ月の思い出を詰め込んだ。この修行で学んだもの、、顧客の経過など一応最後にまとめて記録にとどめようと思っていたのに、結局お別れの挨拶を交わすのが精一杯、、瞬間瞬間必死に師匠のアドヴァイスを受けつつ問題解決にあたったわけだが、今となってはどこをどういう風に考えてその選択にいたったのかすら定かではない、、ああ、、やはり刹那的な人間はやめられそうにない。
いろんな問題が起き、かってに解決へと向かうこともあり、時に適切な介入がなされる事もあった、、そして時には自然の経過を妨げることもあった。結局すべてにおいて大切だったのはトラブルシューティングの技術。問題の把握と現状の把握、、そしてどこへ向かうべきか?ただじっと耐えるだけが正解のことも多い、、また瞬間の判断が必須の場合も多い。
ちと、難しい、、、技術も知識もうつろい行くもの、、最終的に僕の身に残ったものは、師匠の顧客に対する真摯な態度。これは基本ながらも明らかに僕のなかで色褪せつつあったもの、、これを再認識した。これは大きかった、、、あれほど高名で多忙な師匠であるが、必ず自分の身体で顧客に接し自ら判断を下す、、。ともすれば端末から打ち出される膨大な検査データを眉間にしわを寄せながら見入っている時間のほうが実際の顧客に接するよりも長かったりすることがままあるのだが、、やはりそれは基本を忘れてるってこと。
というわけで、最後の週末、、渋谷でノーマンズランド、、、観てきました。ボスニア紛争を背景に描かれる敵対兵士の半密室劇+それをめぐる世間のどたばた劇。緊張感と乾いた笑いとやるせない虚無感がうまくバランスして見終わったあとのダメージは予想外に皆無だった。世の中そんなもんだよね、、、大きな国際情勢上の問題も個人レベルまで掘り下げれば幼稚園児の喧嘩なみだし、逆にいえばその程度の軋轢の積み重ねがそれほどの大きな問題をも引き起こしかねないのかもしれません。
小さな劇場で僕の隣に座っていた課長さんクラスの中年ビジネスマンは、前の観客が上映前に席移動をしたのに腹をたてしきりに”畜生!みえねえじゃねえか、動くなよ、このやろう!!”と声にだしてぶつぶつつぶやいておりました。こんなちっぽけな人間がいったいどうやって社会生活を送っているのか途方にくれつつも、このビジネスマン、、案の定、僕との間にある肘掛の争奪戦を無言のうちに僕に挑んでくる始末、、、肘掛に乗せた僕の腕を真正面を見据えたままこん身の力で押し出そうとするその姿に、なんだか同情すら感じてしまう夕暮れ。こんな人がこの劇場にいったい何人ぐらいいるのだろう?ひょっとして実は僕もおんなじなのかな?などと少し悲しくなりつつ、別に肘掛を奪い合いに来たわけじゃない僕はそっと肘掛を彼に明け渡し、映画を堪能したのでした。そんなにいつもてんぱっていたら、身が持ちません、、、俺が!俺が!ってのは非常に苦手、、、でもそんな我の強さこそが僕に必要なものだったりもするのかもしれません(いや、誰よりも我が強いのは僕本人でしょうが)。これから先、誰かの指導をする立場になってしまったら、いやいやながらも他人に自分の主張をぶつけなければいけないときがくることでしょう、、ああ、めんどうくさい。これってやっぱり人生の怠慢だな、、(笑)。
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