水の中の八月
水の中の八月、、、1995年公開 小嶺麗奈主演 石井聰亙監督作品。
渇水に見舞われる福岡を舞台に、高飛び込み競技に打ち込むヒロインの瑞々しい青春のきらめきが描かれる、、と思いきや、ストーリーはかなり深淵な展開を見せていく。
今でこそ、水泳やシンクロ、飛び込みといった水の競技にスポットがあたり、頻回に映画化されているが、本作で描かれる飛び込みの緊迫感、水しぶきの美しさは群を抜いて美しい。多彩なカメラワークを駆使して描かれる飛び込みのシーンの美しさだけでも見る価値は十分あると思う。
石井監督といえば、僕にとっては”狂い咲きサンダーロード”の人な訳だが、本作のような静の世界を描いてもそのメッセージ性は強烈であることを痛感。 とはいえ、生物の授業中だろうか、、教師が自然界における人類の存在意義を生徒に問いかけるシーンや、それに対する生徒達の冷めきった対応など、かなりエッジの効いた演出も光っていた。また、自己を見つめ、極限まで解体していくと細胞レベルを越えて、自己と他者や環境との境界が消えてしまうといったような解釈は原作からのものであろうが、昨今巷を賑わす様々な精神世界の解釈においてまさに先駆的な作品と思われた。 さすがは石井聰亙 、、なのに、しばらく前の五条霊戦記/GOJOEはどうしたことだろう、、。
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