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December 12, 2009

首って大切、、、赤星さん引退に思う事、、(中心性脊髄損傷の恐怖)

先日、プロ野球選手の赤星さんが突然の引退表明。世間に与えた衝撃は大きかったようで、何故に?の声も今なお多い。 現役時代、盗塁のたびに車いすの寄贈を続けてこられた同氏を引退へ追い込んだ原因は、けして他人事とは言えない頸椎の故障。その名も、中心性脊髄損傷だ。 全身を支配するコンピュターである脳と全身を結ぶ太い神経コードが脊髄と呼ばれる神経の束。まさに、最重要組織であるために強固な脊椎という背骨のトンネル内に太いコードとして格納されている。 もし、この脊髄が圧迫されたり切れたりすると、そのレベル以下には脳からの信号が伝わらないために、腰で脊髄障害がおこれば下半身麻痺、首で脊髄障害がおこれば首から下すべて麻痺という非常に凄惨な事態に陥る。 さらには、頚髄の少し上には延髄という上部神経があり、そこでは生命維持に直結する呼吸、心拍運動に関わる中枢があるため、文字通り延髄切り!なんてことになると即呼吸停止で死に至る。

赤星選手の頚髄に起きた中心性脊髄損傷は、その太い神経コードの中心部分が損傷を受けて、下半身よりも上半身の麻痺が強く出るという状態。 様々な原因で、脊髄が損傷されて起こりえる状態でもある。 例えば、交通事故やプールの飛び込みで強く前額部を打って首を思いっきり反ったり、もともと持病として持っていた頸椎ヘルニアが長期間にわたって頚髄を圧迫したり、また、生まれつき脊髄を格納する脊柱管というトンネルが狭かったり、、、かくなる自分も、壊れた首を持っているため、MRIでの定期検査をしているけれど、同様の脊髄中心部の信号変化を指摘されてかなりビビった記憶もある。そのため、イケテル瞬間に吹っ飛んでむち打ちになってしまうスノーボードは以来引退と相成ったのであった。

ふたたび強烈な、衝撃を頸椎に受ければ、下半身麻痺どころでは済まなくなるというのが実情の病態。彼の無念さは計り知れないものがあるが、ご本人もおっしゃっていたように、彼程の志の高い方ならば必ずや、他分野での活躍も約束されているものと思う今日この頃。

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