1999年の夏休み、、公開21年後の2009年に観て解った事
1999年の夏休み、金子修介監督作品。21年後の2009年に観て解った事。
2009年のクリスマスイヴ、 サンタさん待ちの体勢に入った我が家の夕べは、ポーラーエクスプレスの上映とカレーとケンタッキーフライドチキンという相変わらずのベタな展開。夜も更けて、サンタ訪問に備えて早寝するはずの娘だったがどうにも寝付けないとの事。それならば、優しい眠りを誘うような静かな映画を一緒にみようと言う事になり、セレクトしたのは1988年金子修介監督作品”1999年の夏休み”。
公開当時の1988年に18歳だった自分はリアルタイムで鑑賞し、その不思議な世界観と、音楽、そして少女が少年役を演じると言う独特の透明感が気に入って、後にDVDを入手していたものだ。 ストーリーは、近未来(今となっては現実が設定を追い越してしまい10年前の時代設定になってしまったが)の寄宿舎学校。 夏休みを迎え、寮生達が実家へ戻り、帰るべき場所を持たない3名の生徒だけで過ごした一夏の夏休みに起きたミステリアスな数日間を描いている。
この”1999年の夏休み”を観たのは過去4回程、、最後に観たのは8年ぐらい前なのだろうか?当時18歳の僕は、まだまだ子供だったようで、ストーリーの把握も大雑把、展開自体にかなり意味不明な点が多くて、主に直人役の中野みゆきの右太ももしか見てなかったようだ。まあ、きれいな映像、透明感溢れる出演者達、うつくしい音楽、、まあそれが多いに気に入った作品だった。
時は流れて2009年のクリスマスイヴ、、9歳になる娘と8年振りに観た”1999年の夏休み”、、、驚きました、、なるほど、以前の僕は中野みゆきの右太ももばかりに目が行って全く気付きませんでしたが、よくよく考えてみればかなり倒錯した人間関係が描かれていて、もし男性俳優を配していたならかなりエグイ映像になるところを、中野みゆきや将来、女優 深津絵里としてとして見事開花する前の水原理恵等、美しく清楚な少女を少年役としてキャスティングすることによって見事に昇華しています。これまで、意味不明だった伏線や、シーンのつながりが自分が大人になったせいか妙に納得のいくようになり、はっきり言って、公開から21年を経てはじめてその作品の意図するところが理解出来たようです。うーん、見事に青春時代の感情の揺れ、人の想いの尊さ、怖さを描き切っていますね。 常々思う事ですが、映画にしても本にしても、やはり数年の時をおいて、見返してみると、自分の人生経験に照らして、全く新しいシーンが現れたり、新たな解釈やメッセージに気付いたりして、ほんとに楽しいですね。 "1999年の夏休み”のDVD、、8年以上前に購入以来おそらく観るのはこれが僅かに5回目なんだろうけれど、いやあ、なかなか見応えがありました。 9歳の娘も結局、全編真剣に見入っていましたが、彼女もまた10年後に再び本作を観てみると、新たな真実に気付くのでしょうね。 ちなみに、8年前にDVDを見つけた時に、監督のクレジットに金子修介と記してあるのを発見し、平成ガメラ大好きの僕は妙に驚いた事を覚えています。
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