父帰る、、、、
凍結路の東北道を北へ、、、。 大方の予想通り三度目の結婚生活に失敗し、戸籍に大きなバツ印を三つこさえて独り身となった我が創造主。 先妻の子である我らにとっては、しかしそれでも尚、血のつながった父には違いない。
彼の自分勝手な再々婚のおかげで、ひそかに願っていた離散家族の再集結という自身の夢は消散し、さらには同居をやっと始めた母は引き取って僅か一年程でこの世を去った。結局、一家は離散したまま、散らばったピースは、いつの間にか欠けながら、元に戻る事は叶わなかった。
僕に縁のない、父の新たな配偶者が彼のもとを去った事で、僕らは父を引き取り同居を始めた。しかしながら、これまで、回遊魚のように世の中を浮遊し続けて来た彼にとっては、この掘建て小屋でのぎゅうぎゅう詰めの生活が耐えられるものでは無い事は明らか、、、。 癌を煩って後、いささか弱気になった彼は、遠い古里に残したもう一人の我が子や、旧知の親友等を思うようになっていった。
これまでの失敗から、何事も元気なうちに、、という教訓を得た僕は、仙台福岡行きのANAのチケットを早割でゲット。 多忙な年末年始の厄介払いも兼ねて、彼を古里へ送り届ける事としたのだ。 約一ヶ月の滞在、、果たして故郷は彼を暖かく向かえてくれるのだろうか? 消息すら定かではない、友人達の幾人が今なお生き残っているのだろうか?多少の不安は本人も抱えていたようで、 ”やっぱり行かない”などとちゅうちょも見せたが、結局は機上の人となって、はや一ヶ月弱。
多忙な年末年始を過ぎて、僕らは父の存在すら忘れがちになっていたし、いつ戻って来るのかもあまり気にしていなかった。 不意に、業務メールにまぎれて届いたANAからのアラート、、、搭乗日前日の自動メールである、、やばい、帰って来るの明日だったのか? なんとか時間を都合して、仙台空港へ迎えに行く。折からの雪をものともせず予定より10分早く到着した航空機から降り立った彼は、お土産を抱えてなんだか、3歳程若返ったような様子で姿を見せた。 当初は早々と強制送還されるのではないかと心配もしていたのだが、結局は親類も旧知の友人もみな歓待してくれたのだそうだ、、。故郷は遠くにあって想うもの?、、楽しそうに旅の思い出を語る彼を助手席に乗せて、今度は東北道を南下して行く。 さてさて、、僕らの故郷は一体何処にあるのだろうか? 気の知れた友人と、血を分けた人々、、、残念ながら僕は故郷を想うのではなく、生み出して行くべき世代なのであろう。
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