ちびっ子達は置いてけぼり?マクロスf 虚空歌姫〜イツワリノウタヒメ〜
2010年、初めての映画はマクロスフロンティア〜虚空歌姫〜。
アバター3Dで2009年大晦日を締めくくった、我がちびっ子達。2010年が明けてはやひと月が過ぎようとしている。そんなこんなで、2010年初めての劇場へ向かった6歳7歳9歳の我がちびっ子達と僕。 ”カールおじさん”も捨て難いが、”おとうと”も気になるという渋い9歳の長女。 そういえば、いまだに頑張っている河森正治が、新作を作ったらしい、、マクロスである。 ラブロマンスを縦糸に、歌手を夢見る女の子と、空飛ぶことが大好きな男の子を横軸に、、という、もはやある種の様式美すら漂う基本軸にブレはないようだから、ファミリーで見れるはず、、というか、1984年公開の”愛おぼえていますか”で錐揉みしながら巨大なスクリーンをスクエアに飛んで行くVF-1Sの動きに鳥肌を立てた記憶も新しく、、、正直、初作から25年を経たこの2010年の最新技術がどのようにバルキリーを広大な劇場のスクリーン上に飛ばすのか、興味は尽きず、いざ鑑賞とあいなった。
なんでも、今回は最近流行のテレビ版リメイクということであるが、結局凝り性の河森監督のこと、結果的には新作カットが当初予定の20%から70%まで増え、結局劇場新作と言う内容のよう。もっとも、オリジナルのテレビ版など見ていないので、あまり関係はないのだけれども、、。 オープニングから、余計な説明も最小限に、25年前の”愛おぼえていますか”を彷彿とさせるような歌姫のライブ会場に乱入する敵勢力との攻防。かなりの密度の戦闘シーンに、はたして体力が持つか心配、、、と思いきや、その後は良い感じに、銀河の歌姫と、歌手を目指す女の子と主人公という三角関係の日常劇が延々続く。いくつかの伏線を孕ませながら、物語終盤になって、ふたたびエンジン全開、、今回の機体であるVF-25が、そしてアーマードがハリウッド版トランスフォーマーをさらに上回るスピードと密度で画面狭しと駆け巡る。二人の歌姫の熱唱をバックにマクロス・クォーターがアームドアタックを決めるや、ボルテージは最高潮に達し、無事終劇。
さて、我がクルーの生存率はと見てみれば、3人のちびっ子のうち長女はランカちゃんの愛らしさに、長男はメサイアバルキリーのかっこよさに夢中だったよう、、そして、ハリウッド実写ものを嗜好する6歳の次男はあえなく撃沈!。
板野サーカスに代表されるように、マクロスシリーズの売りのひとつはその、緻密な戦闘描写と、常識はずれのスピードにある訳だけれども、正直、本作の戦闘シーンはあまりに早すぎて、カタルシスを感じる暇もなかった。 これは明らかに行き過ぎで、マイケルマン監督作品のトランスフォーマーでも同様の傾向が見られる。CGの導入で、緻密な変形機構を有する機体を自在に動かせるようになって久しいのだけれども、やはり物事には限度がある。本作中で、鳥肌がたったのは、アーマードやケーニッヒモンスターが重厚な動きを見せたその瞬間であって、メサイアの高機動戦闘はなにがなんやらわからなかったというのが正直なところ。
さらには、キャラクター設定は、かなり若返ってはいるものの、演出にしても良い年の男性を狙っている部分が多くて、ちびっ子達にはちょっと情報過多。 さらにさらに、本シリーズに関連した玩具に至っては、あまりに高額なものが多く、はっきりいってちびっ子達は置いてけぼり!という印象が拭えない。せっかく、設定に関しては小さな子供達が楽しめる内容が満載なのに、大人の娯楽に留まってしまっているのだ。バンダイやその他から販売される玩具も1万円を越えるような繊細なものばかり。 もっと、安価で丈夫でちびっ子達が安心してがちゃがちゃ変形させられる、使い倒せるような関連玩具を提供してもらいたいと切に願う。 というわけで、数年前に購入していたタカトクトイス製のリメイク版のVF-1は、ちびっ子達のお気に入りのおもちゃになっている。2000−3000円くらいで、プロポーションなんて悪くても良いから、丈夫なおもちゃ作って欲しいと思うお父様は僕一人ではないはずだ。
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