ゴールデンスランバー 勾当台公園からフォーラス前まで、堺雅人が仙台の街を駆け抜ける
人生初めての地鎮祭を終えて、あばら屋に戻った我が一族。かねてから10歳の娘が観たがっていた堺雅人主演のゴールデンスランバーを家族で鑑賞。 仙台が舞台の本作は公開時にリアルタイムで観ているのだが、2度目はさらに、丁寧な伏線やら、各自の微妙な表情に込められた意味がより良く理解できた。
決して、ハッピーエンドでも悲劇でもない本作の結末はしかし、観るものの心を揺さぶることだろう。4歳から10歳までの4人の我が子もそれぞれの人生経験に照らして本作を堪能した様子。
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以下、劇場観賞後の感想の再掲。、、そうか、今年の2月に浜松で観たんだっけ、、。
ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎 原作、中村義洋 監督作品。 主演は、堺 雅人。
名作 アヒルと鴨のコインロッカーの伊坂幸太郎&中村義洋の強力タッグが放つ劇場作品。今回も、地方都市仙台を舞台に緻密な伊坂幸太郎ワールドが展開する。
結構真面目にお仕事した自分へのご褒美として、出張先の浜松で選んだのが、このゴールデンスランバー。いつもながら原作は読んでいない。
先日、その面白さにやられたフィッシュストーリーや、記憶に深く残る名作、アヒルと鴨のコインロッカーの原作、制作チームの新作とあって、期待も高まると言うもの。 おかげで、新幹線の終電ぎりぎりだったのにエンドロールまでじっくり観てしまい、あやうく延泊を余儀なくされるところだった。
タイトルのゴールデンスランバーは、人気の絶頂にありながら解散した伝説のバンド、ビートルズの最後のアルバムに収録されている子守唄。そもそも、僕はビートルズの呪縛にとらわれていないぎりぎりの世代。本作のタイトルでもあるゴールデンスランバーという楽曲にもなんの思い入れも無い。 それでも尚、本作の根底に流れるノスタルジックな過去と苛烈すぎる現在の対比をしながら、さしたる状況説明も叫ぶべきメッセージもないままに一気に主人公青柳の逃走劇を見せつつ、感情の大きなうねりを巻き起こし、結果的に優れた群像劇に仕上げた原作者と監督の凄さ、そして音楽の持つ力に感嘆した。 また、劇中に大きな印象を残す”人間の武器は信頼と習慣だ”という言葉を体現し、仙台の一般市民の助けを借りながら巨大な国家権力と対峙する主人公青柳のキャラクター設定は、堺雅人の人柄があってこそ、嘘にならないものだったと思う。 音楽は、本チーム定番の斉藤和義、、もちろん自ら音楽好きの僕ではあるが、斉藤和義にも大きな思い入れはないのだけれども、彼やビートルズというネームバリューによる魔法の力を借りずとも、音楽も映像も素敵だったし僕にとって非常に秀逸なエンターテインメント作品であった。
香川照之も語っているように、この映画の凄いところは、オチもなければ、声高に何らかのメッセージや主張を謳っているわけでも無い、、それなのに、本作を観た人達はその心を訳も解らぬまま大きく揺さぶられるのだ。 主人公が死ぬとか、大どんでん返しになるとか、動物が可愛いとか、子役が泣かせるとか、命を大切にとか、地球を大切にとか、友達を大切にとか、、そんなのに一切頼らず、目に見えない何かを僕らに強く突きつけてくる。これこそがほんとのエンターテインメントだろうと思う。
ゴールデンスランバー 価格:1,680円(税込、送料別) |
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