原発事故 迫る始業式と放射能 避難させた子供達をいつ呼び戻すべき?
派手な水素爆発から2週間以上が過ぎ、すでに殆どの日本人が飽きてしまった感のある福島第一原子力発電所の事故。 世間が、環境放射線量のテロップを気にも留めなくなった現在も尚、事態は刻々と進展し、ベントの解放による大気への放射性物質の拡散、水素爆発、原子炉燃料棒の冷却水漏れによる加熱炉心溶融、格納容器の破損、使用済み核燃料プールの加熱、トレンチを介した高濃度放射性物質の海水への大量流出と事態はどんどん悪化。 冷めて行く国内の注目に反して、原発事故が深刻さを増し続けることに対して、アメリカ、フランスなどの原子力先端国の技術者達が続々と、日本に乗り込んで来ている。
マスクも付けずに、品薄のコンビニへ子供の手を引いて買い物に出かける親子や、マスクを付けてジョギングに励む中学生、、普段と変わらぬ保育所の風景などなど、、事態の受け止め方は、三者三様のようだけれども、子育て世代、働き盛り世代の僕の周りでは多くが、水素爆発直後に妻子を県外に脱出させた方が多い。
もちろん政府や東電や、メディアのコメンテーターが強調するように、原発近隣の市町村に比べてさえ不自然に高い福島市の放射線量を以てしても、”直ちに身体に影響は生じない”という意見に異論はない。 しかし、原発からの放射性物質の拡散が止まらない限りは、いや、止まったとしても放射性セシウムやプルトニウムの80年や2万年といった半減期を考慮すれば数時間、数日、数ヶ月、そして数年、さらには数十年に渡って、粉塵、土壌、飲料水、食品などから内外問わず被曝を蓄積していくことは避けられない訳で、今後この地で育児をして行く事に多くの親は不安を感じないはずがないわけで。
あの水素爆発後の高濃度の環境放射線が降り注ぐ中でも、早期の始業開始を謳っていた福島市の小学校。 しかも、殆どの世帯が断水、停電、食料品不足に陥る中、、”お弁当持参で登校”とのあまりに能天気なお達しを、トイレの水も流せない各家庭に通知したのだから、目も当てられない。 結局、私立学校の多くは早々に、事態を認識して始業延期を決定したのとは対照的に、市内の小学校は、一日毎に、始業延期の通達を訂正し続け、最終的に4月6日始業となったわけだが、それもどうやら近隣の郡山市等が始業を4月11日からと決定した事を受けて右に倣えしそうな予感。
ここで、多くの父兄が悩んでいるのが、県外の実家等に避難させている我が子達を、いつ福島に戻すべきか?? という事である。今日も、あちこちの職場では、この話題が飛び交っている。 事態収拾のめどが経たない原発事故、、現状分析能力に不安がある県教委、、はたしてほんとに4月11日に始業となるのか? 経営トップ自ら、事態の沈静化のみ通しが立っていないと明言する中、刻一刻と事態が変わる原発のニュースに耳を傾けながら、子供達を安心して通学させることが出来るのか、、呼び戻した途端に、ふたたび避難となりはしないだろうか? 今後十数年をこの地の環境のなか育児をすることが適切なのか? 多くの父兄が抱えるこれらの疑問に対して、明るい答えが返ってくる見通しが現時点では全く立っていない。 とは言え、我が家も含めて、共働き世帯では子供達だけでの他県避難を継続することも難しい。 いっそ、転出して他県で家族揃って一から生活を立て直すべきなのか、 震災後の津波被害を受けた南三陸各地が、苦しいながらも復興への一歩を歩み出しているのと対照的に、福島市の被災はこれからが正念場のよう。 様々な情報が交錯する中、教育者の判断の基準は何処にあるのだろうか?
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