草を刈る人、、国土交通省河川管理課管轄と福島市管轄の狭間で
土手下にある我が家、、当然土手の向かいには大きな河川があって、土手のてっぺんは気持ちのいいサイクリングロードになっている。 原発事故以降、この土手およびサイクリングロードがおかしな事になってきているのだ。
河川敷は奇麗な運動公園になっていて、土手を上るとサイクリングロード、そんでもって幅1メートル程のサイクリングロードを越えると土手を下って我が家という断面図になっている。
例年、この土手にはありとあらゆる外来種が薮を作り、雑草がうっそうと生い茂ってしまうため、年に数回は何処からともなく、おじさんがやってきて草刈りおよび雑草の搬出を行ってくれていたのだ。 そして、今年、、、福島原発が爆発し、この近隣が地上1mで大体2−3uSV/hrの高い線量を呈するようになってからというもの、公園の草も、土手の草も伸び放題に捨て置かれてしまうようになったのだ。 ジャングルのように葛が生い茂り、絶望的な程多数の雑草が土手から地続きの我が家の庭に生い茂るに至って、このままじゃ、我が家が発見前にアンコールワットと化してしまうという危惧に突き動かされ、自力での除草に臨むも、いくら庭の草を引いたところで、そびえる土手が圧倒的多量の雑草リザーバーとして機能するため、けっきょく土手の雑草をなんとかしないかぎり問題解決には至らず、ひいては我が家の庭の除染もままならない状況なのである。
土手に生い茂る、雑草を眺めてため息を付いていたある日、土手の向こう側の河川敷の公園と、土手の河川側の斜面をわらわらと現れたおじさん達が、賢明に除草に励んでいる。 おかげで、土手の河川敷側はつるつる奇麗になったのだ、、、”おじさん、土手のこっち側も除草してくれるんですか?”と尋ねてみると、、”いやー、土手のこっちは、除草するんだけれどもね、そっち側は管轄外なんだよねー、国土交通省にきいてみてくんないかい?”とのこと。 なに?サイクリングロードの土手の右と左で管轄が違うのかい??? お役所仕事にも程があるんじゃないかい?? 早速、国土交通省河川管理課に電話で問い合わせ。 担当者が泣く泣く語った真相はこうだ。
サイクリングロードの河川敷側は国土交通省が公園として福島市に貸与しているため、その管理や除草は福島市の管轄。土手の住宅側は国土交通省の管轄となっているのだ。 サイクリングロードの路肩の右と左で管轄部署が異なるという馬鹿げた実態。 今回、福島市は自らの管轄である土手の河川敷側を除草したことになる。
じゃあ、国土交通省さん、土手の住宅側を除草してくださいよ、、放射線量は高いし、雑草がどんどん家に入ってきて大変なことになっているんですから、、 ところがどっこい、国土交通省としては、草を刈る事は可能だが、刈った草は高濃度の放射性物質を含んだ産業廃棄物扱いになるため、処理場が引き受けてくれず、刈った草を移動も処分も出来ないというのだ。 ”すいません、刈りっぱなしでいいのであれば、草刈りに伺いますが、町内会で意見を統一していただかないと、置き場所の問題もありますので、、”とのご返事。 なら、福島市は刈った草を奇麗に片付けたのに、なんで国土交通省は出来ないのか?どう考えてもおかしいのではないか? と追求すると、福島市が刈った草は面積的にも少量なので、処分可能だが、国土交通省として土手の総延長すべての草を刈ると大量の草が出てしまい処理できないのだそうだ、、公平性を欠くので、この地域だけ刈るというのもしづらいらしい。 じゃ、個人宅で草刈りした草はどうするのさ?と問うと、量が少ないので一般ゴミに出して構わないんだとさ。
なんとまあ、おかしなもんだ、、自転車にのってサイクリングロードを走ってみよう、、右手の路肩は草ぼうぼう、ジャングル状態、、、、左手は奇麗に除草されていてご丁寧に芝生まで敷いてあるぜ、、これが、この国の実態に他ならない。 ばかじゃないの?? ”あ、そう、、じゃいいです、自分で刈りますから”。
ばかばかしくなって、のんたん氏に23CC2ストロークエンジンを搭載する高機能草刈機を借りて、自分で刈りました。 土手の草刈ひとつ出来ない今の国土交通省をはじめとする行政に除染なんか到底無理無理だろう、、、誰かの常識的な対応を期待して待っていたって、なにも起こらないのが今の福島、、ちゃっちゃと自分で動くしかないのだ。 だがしかし、この草刈費用、マスク、ゴーグル、草刈機のガソリン代、替え刃代も含めて、東電が賠償してくれるとも思えんが、、とにかく、原発事故後の福島に住まうにはいちいち金と手間がかかって仕方が無い。
撤退が賢明なんだろうけれどもね、、。
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