ソレダケ That's it 石井聰亙改め、石井岳龍監督が放つラウドロックムービー
石井聰亙監督の”狂い咲きサンダーロード”を初めて観たのは高校生になってからだったのだろう。
モノクロの緊迫した画面と、当時としてはかなり遠慮のないバイオレンス描写や、劇中音楽の使い方はブッチギレていて、ストーリーも含めて何から何まで破綻しているのに、強烈な印象を残していました。
それ以降、比較的寡作で、商業的には成功するはずもなさそうな石井聰亙監督作品をそうそう目にする機会はあまりなかったのだけれども、大好きな岩井俊二作品などを含めて活躍を始めていた浅野忠信が主演するという久々の商業作品的な”五条霊戦記”を観たのはそれから10年以上も経ってからのこと。 浅野忠信扮する、牛若丸(源 義経)と弁慶が五条大橋でSFXを駆使した一大バトルを繰り広げるその内容は、やはり普通の娯楽作品の枠を大きく離れてしまっていて、一般受けのしないのも無理はなかった。
僕にとっての石井聰亙監督は、ロックの精神で映像を奏でる人そのものであり、その通りの作品が五条霊戦記の惨敗からわずか1年後に”ELECTRIC DRAGON 80000V"という形で公開された。当時最も勢いのある若手俳優である浅野忠信と永瀬正敏がこれまた、大音響の前衛的音楽を背景にひたすら火花散るバトルを繰り広げるという、ちっとも懲りていないどころか、面目躍如の大乱舞な仕上がり。 これについていける方はそうそう居ないのではないでしょうか。
それ以降、石井聰亙監督作品を観る機会は無かったのだけれども、2016年”That's it ソレダケ”が完成。いつの間にか、石井岳龍と改名してたりして、、内容は、かなり洗練された形でとても見応えがありました。つまんないことや、ジメジメした大人の世界で埋没していた自分に十分カツを入れてくれるようなロックと映像がそこにはありました。
石井聰亙監督、未だ進化を止めずというところでしょうか。
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